日本酒について醸造アルコールの話を書いたところ、日本酒が嫌いなのか、と聞かれました。好き嫌いではなく、本当のところを知って飲んでもらいたいという気持ちからの情報提供でしたが、本当のことを書くと嫌いなのかと思われるほど日本酒の中身を知らずに飲んでいる人が多いようです。
当法人の理事は今、人気急上昇中の酒米の雄町米の産地の岡山の出身で、その地は理事長も第二の故郷と公言しているほど日本酒好きです。雄町米は酒米の元祖で、他の酒米との掛け合わせがされていないので、酒本来の味が楽しめるというところが人気の要因です。
日本酒は日本で作られているだけのものを指すのではなく、海外で日本酒の製造法に従って作られたものも日本酒となりますが、ワインほどわかりにくくはありません。日本酒はラベルを見れば、どこで作られたものかが示されているからです。
日本国内で製造されているワインは、日本産ワイン(日本ワイン)と国産ワインがあります。どちらも作られているのは日本国内であることに違いはないのですが、日本産ワインはブドウの産地も、これを材料として作られるのも日本国内です。これに対して国産ワインは、海外で作られたワインを輸入して、日本で作られたワインと混ぜたものも含まれています。そこで最近では、日本産ワイン、日本ワインという表示を打ち出して、混ぜ物が含まれているワインとは区別して販売されるようになっています。
こういったことはビンに入った状態では表示を見ればわかるものの、グラスに注がれたらメニューやワインリストを信じるしかないので、安心できる店で飲みたいものですね、とは当たり前のアドバイスですが、仕方がないことです。