有害物質の分解時に体内で活性酸素が発生する

身体にとって害となる農薬、食品添加物、薬剤、化学物質などの分解・解毒は肝臓が担っています。これらの物質が体内に入ってくると、その害を減らすために肝臓だけでなく、腎臓などにも負担をかけていきます。肝臓は有害物質の分解、解毒のために肝細胞が盛んに働いていますが、肝臓以外の各臓器の細胞も活発に代謝を繰り返して分解、解毒を行っています。そのときに多量の活性酸素が多く発生するのです。
肝臓が有害物質として分解するものにアルコールも含まれています。アルコール飲料を飲むと、肝細胞の中のアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは飲酒をしたときに起こる紅潮、動悸、呼吸数増加、吐き気、頭痛などの原因となるもので、二日酔いの原因ともなっています。アセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素によって分解され、最終的には有害性がない水と二酸化炭素となります。
肝細胞は肝臓を構成する細胞で、全体の60%ほどが肝機能に関わる実質細胞となっています。7〜8種類の細胞によって構成されると考えられ、実質細胞は糖質・脂質・たんぱく質の代謝、アルコールの分解、タンパク質の合成と貯蔵、炭水化物の変換などを行っています。非実質細胞はコレステロール・胆汁酸・リン脂質の合成、コラーゲン線維の産生、造血作用、解毒、老廃物の処理、体熱の発生、活性酸素の分解などを行っています。
有害物質が体内に入ってくると、これらを免疫細胞の白血球が取り込み、白血球は活性酸素を使って破壊、無害化していきます。破壊したあと白血球は破壊したものを外部に出して、次の有害物質を取り入れていくのですが、このときに活性酸素が白血球から外に漏れ出て、体内の活性酸素を増やしていくことになります。つまり、有害物質が多いほど、白血球が破壊するほど体内の活性酸素が増えていくことになるということです。