歩くのは有酸素運動と言われるものの、ただダラダラと身体を動かすことでは、なかなか有酸素運動のレベルまでは高まってくれません。元気よく歩いてダイエット効果が得られるウォーキングがすすめられますが、一般には時速5km以上のスピードで歩くことがウォーキングと定義されています。頑張ってスタスタと勢いよく歩いているときには時速7kmほどとなります。ダイエットを目的としたウォーキングは、脂肪細胞に蓄積された中性脂肪を分解して、分解された脂肪酸を筋肉細胞などでエネルギー代謝させることが効果的にできるものというのが条件となります。
普通歩行とされるレベルのウォーキングは安静時の3倍ほどのエネルギー消費となります。安静時は脂肪酸よりもブドウ糖を多く消費しています。ブドウ糖は、すぐにエネルギー化されるものの、長続きしません。歩き始めて10〜15分はブドウ糖の消費量が高まり、平常時よりも多くのブドウ糖が使われています。といっても、エネルギー消費は3倍以上にはなっているので、実際には安静時に比べて脂肪酸の消費量も増えています。
歩き始めて10〜15分が経過すると、身体が温まってきて、うっすらと汗が出てくるようになります。このときには脂肪酸の代謝が高まり、ブドウ糖の消費が下がってきています。ブドウ糖と脂肪酸の代謝は、紙と木の燃焼にたとえられます。紙は火をつけると、すぐに燃え始めて、それほど長くは燃えていません。木は火がついて燃えるまでは時間がかかるものの、燃え始めると長く燃え続けます。ブドウ糖は紙に、脂肪酸は木にたとえられるわけです。
勢いよく長く歩き続けるのがよいということですが、時速7kmの速度で歩き続けるのは、なかなか大変です。そこですすめられるのが早歩きを3分ほどしたら、その後は3〜5分は普通歩行をします。これを繰り返すことによって、筋肉に多くの酸素が取り込まれ、この酸素を活用して脂肪酸を効果的に代謝させることができるようになります。この歩き方は、インターバル速歩、インターバルウォーキングと呼ばれています。