重症者減少はウイルスの弱毒化か免疫強化の結果か

新型コロナウイルスの感染拡大はあっても、重症化する人が減っていることから、GoToトラベルキャンペーンを継続する、緊急事態宣言をしない大きな理由とされています。確かに、感染者の増加に比べると重症病棟に入院する人は少なくなっています。これは医療者が戦い方を覚えて、的確に対応ができているからだという説明がされています。それよりも大きな原因としてあげられているのが新型コロナウイルスの弱毒化です。
弱毒化というのはウイルスや細菌の毒性が弱まって、感染した人の健康被害が弱まっていくことを指しています。ウイルスと細菌では弱毒化の仕組みが異なっていて、細菌の弱毒化は細菌が作り出す毒性物質が減るか、毒性が弱まっていくことで起こります。ウイルスのほうは細菌とは生物としての仕組みが違っていて、そもそも弱毒化するようになっているという考えがあります。
細菌は単細胞で、一つの細胞で形作られています。一つの細胞でも生きていくことができます。それに対してウイルスは生命維持をするための器官が欠けていて、他の生物に取りつくことによって生きていくことができます。ウイルスが生き延びるためには、取りついた生物が死なないようにすることが必要になります。生物が死んでしまうと、ウイルスも死んでしまい、増殖することができなくなるからです。
だから、新型コロナウイルスに感染しても無症状で、感染した人が気づかないうちに他の人に感染させて、増殖していくという特徴があります。重症化するようなことがあっても、感染者が亡くなることがなければ、増殖していくことができるので、死なない程度に増殖して、他の人に感染するのを待っているというのが弱毒化するウイルスの怖いところです。
新型コロナウイルスの弱毒化だけに期待するのは今の段階では間違いで、免疫を高めて感染症に対抗できる力をつけるのが重要になるはずです。そのための日常生活でできる方法を、これからも紹介していきます。