歩くほど健康度が高まるわけではない

ウォーキングに適した季節になると、メディアから歩くことについての問い合わせが多くなります。国民健康・栄養調査の結果概要を見ると、日本人の食事からのエネルギー摂取量は減っているのに生活習慣病は増える一方です。それは1日の歩数が減っているなど運動不足が関係しているのか、という質問が新聞記者からありました。“1日1万歩”というのは昔の話で、今は国民的には7000歩も歩いていない状況なので、「健康のために、あと1500歩増やそう」という目標が掲げられています。
健康のためには実際に、どれくらい歩けばよいのかというと、中之条研究(群馬県中之条町)によると65歳以上の高齢者約5000人のうち500人を対象とした実証調査で、1日に8000歩を歩き、そのうち20分間は中強度の歩行をすることで生活習慣病が予防できることが明らかにされています。中強度の歩行は、ギリギリ話をしながら歩ける程度の速度を指しています。
ただ歩けばよい、8000歩以上で健康になれるということではなく、一定の負荷がかかる歩き方を1日に20分間、取り入れることが大切だ、ということです。
20分間の早歩きをすると歩幅が広がることもあり、2400〜2500歩ほどになります。8000歩から2500歩を引くと5500歩。このうち家の中で動くだけでも1000歩ほどにはなるので4500歩、この分を歩行でこなすと40分ほど普通に外を歩くと達成できる計算になります。
この話に続いて、20分間の早歩きのために何をやればよいかという話になりましたが、当法人ではノルディックウォーキングをすすめています。ノルディックウォーキングは2本のポールを持って歩くもので、4点支持の歩行となるので安定して、速度を高めやすく、上半身も使う全身運動のために普通の歩き方よりも20%ほどエネルギー消費が高まります。本人が感じているよりも心拍数が高まるので、“無理なく、無駄なく”の当法人のモットーそのものの状態で歩くことができます。