活性酸素の基礎知識4 活性酸素で傷ついた細胞はがん化しやすい

日本人の死因の第1位であるがんは死亡率の30%以上を占め、年々増え続ける一方となっています。がん細胞は、もともとは体の正常な細胞です。その正常な細胞の遺伝子が傷つけられることによって異常な分裂を起こすことから細胞のがん化が始まります。

正常な細胞を傷つける原因として最も多いのは、発がん物質です。細胞が正常な状態であれば発がん物質は細胞内には入りにくくなっています。ところが、活性酸素によって細胞膜が傷つけられると、発がん物質は細胞内に入り込みやすくなり、遺伝子を傷つけるようになります。

正常な細胞は、遺伝子に組み込まれた情報によって過剰に増殖しないようにブレーキがかかっています。分裂するのは元の細胞だけで、分裂してできた細胞は分裂することができません。そのため、分裂するたびに1つずつ細胞が増えていきます。

ところが、遺伝子が傷つけられるとブレーキがきかなくなって、分裂してできた細胞も分裂を始めます。そのために、がん化した細胞は2,4,8,16,32,64,128……というように、倍々で一気に増殖していくようになります。

活性酸素は、がんを引き起こす要因ではあるものの、細胞を破壊する作用を利用して、がん治療にも使われています。がん治療に使われる抗がん剤も放射線も、体内で活性酸素を多量に発生させます。

がん細胞は、もともと正常な細胞が異常に増殖したものだけに、細胞膜が弱く、活性酸素によって破壊されやすくなっています。この活性酸素によって、がん細胞だけが破壊されれば問題はないのですが、活性酸素は周囲の正常な細胞も破壊していきます。がん治療は、がん細胞を破壊するとともに、がん細胞を新たに作り出す要因にもなります。そのため、予防段階だけではなく、治療段階になってからも活性酸素を消去することが大切になるのです。