医薬品は体内に吸収されてから肝臓に運ばれます。肝臓は解毒の働きもしている重要な臓器で、医薬品の成分を分解します。分解されなかった成分が血液中に入り、必要な臓器や器官に運ばれて効果を発揮することになります。
臓器や器官の細胞に入った医薬品は、細胞の働きを助け、あるいは抑制して、薬効が得られるようになるわけですが、そのときには細胞の機能が正常に保たれている必要があります。細胞を正常に働かせるのは、細胞のミトコンドリアの中で作り出されたエネルギーです。
エネルギーが正常な状態で作り出されていれば、そのエネルギーを細胞の中で使って、細胞本来の働きをさせることになり、それによって医薬品の成分も効果を発揮しやすくなります。医薬品の効き目は、その成分の有効性だけでなく、成分を受け入れる細胞の働きも大きく影響しているのです。
医薬品は有効性だけでなく、安全性の問題もあり、一般に副作用と呼ばれる健康被害を生み出す要因にもなっています。その副作用は役目を終えた医薬品を効果的に分解していくことで抑えることができるようになります。その分解を進めていくためにもエネルギーが必要になります。
有害になりかねない成分を最終的に分解するのは肝臓です。肝臓の細胞を正常に働かせるためには、特に多くのエネルギーが必要になります。全身で発生したエネルギーのうち、個人差はあるものの、脳、筋肉、肝臓が、それぞれ20%前後を使っています。肝臓には多くのエネルギーが必要だということで、ミトコンドリアの数も多くなっています。
肝臓の働きはよいに越したことはないのですが、医薬品を多く分解して効き目が低下することもあります。しかし、その肝機能の差を考慮して処方されるのが通常のことなので、このことはあまり心配することはありません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕