理想実現のための代謝促進23 エネルギー代謝による体脂肪対策

体脂肪は、脂肪細胞の中に蓄積されている脂肪のことで、内臓脂肪と皮下脂肪に大きく分けられています。内臓脂肪は内臓の周りについている脂肪で、腹部から太っていくのは内臓脂肪が増えた証拠とされます。皮下脂肪は皮膚の奥についている脂肪で、表面に近いところに蓄積されています。

体脂肪は脂肪の形としては中性脂肪で、これは脂肪の最小単位の脂肪酸が3つ結びついています。飲食で摂った脂肪が多くて、体内で消費される量を上回っていると、余分なものとして肝臓で中性脂肪が作られて、重要なエネルギー源として脂肪細胞に蓄積されます。

飲食の量が少ないか、運動量が多いためにエネルギーが不足した場合には、脂肪細胞の中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸が血液中に放出されます。

血液中の脂肪酸は、脳細胞以外の全身の細胞に運ばれて、エネルギー化されます。細胞に脂肪酸が取り込まれれば、それだけで脂肪がエネルギーになるように思われているところがありますが、細胞でエネルギー代謝を行っているミトコンドリアに脂肪酸が取り込まれなければエネルギー代謝は起こりません。

脂肪酸はL‐カルニチンという代謝促進成分と結びつくことによって、ミトコンドリアの膜を通過することができます。L‐カルニチンは重要な成分であるので、肝臓で合成されていますが、その合成のピークは20歳代前半で、それ以降は年齢を重ねるにつれて合成量が減ってきます。

年齢が進んでからは、以前と同じ食事量、同じ運動量では太っていくようになるのは代謝が低下しているからだと言われますが、L‐カルニチンの減少が大きな部分を占めています。脂肪の摂取を減らしてもやせない、運動をしてもやせないという人は、L‐カルニチンの減少が大きな原因となっていると考えられています。

L‐カルニチンは以前は医薬品(カルニチン欠乏症治療薬)の成分でしたが、今では食品の成分としても使うことが許可されているので、サプリメントでの摂取が可能になっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕