体脂肪(脂肪細胞に蓄積された脂肪)を減らしたい人もいれば、体脂肪を減らすことよりも筋肉をつけることを優先さえたいという人もいます。体脂肪を減らすことは、食事の摂取量を減らせば簡単に達成できます。脂肪を減らしたいからといって食事で摂る脂肪を減らすのではなく、全体の摂取エネルギー量を減らすことによって希望がかなえられるようになります。体脂肪が増える原因は全体のエネルギー摂取量が過剰になっているからです。
糖質でもたんぱく質でも余計に摂れば、それが肝臓で蓄積タイプの中性脂肪に合成されて、脂肪細胞に多くの中性脂肪が蓄積されていくようになります。1gあたりのエネルギー量は脂肪は約9kcalと、糖質とたんぱく質の約4kcalの2倍以上にもなっています。
同じ重量のものを食べたら、脂肪のほうが太りやすいのは当然のことですが、ご飯を多く食べることでも太るし、糖質制限によって糖質が多いご飯やパン、麺類を減らして、たんぱく質が多い肉類などを多く食べるようにしても、全体的な摂取エネルギー量が多ければ、結果として体脂肪が増えることになるのです。
人間の身体は、食事ができないときに備えるために、エネルギー効率がよい脂肪に変化させて、より多く蓄積させるようにできています。つまり、人間は太っていくようになっているのです。
しかし、今は食事ができないという飢餓状態になることは少なく、身体に備わった太る仕組みは生活習慣病の原因になり、本来なら活動のためのエネルギー、身体を健全に保つためのエネルギーに使われるはずだったものが、無駄に体脂肪となってしまうというのが現代人の宿命かもしれません。
多く蓄積された体脂肪を、エネルギー代謝によって健康になるため、元気に活動するためのエネルギーとして活用してほしいというのが、このコラムの大きなテーマとなっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕