理想実現のための代謝促進4 代謝の2つのルート

エネルギー代謝というと、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料にして体内でエネルギーを作り出すことを主に思い浮かべるかもしれませんが、これはエネルギー代謝の前半にあたることで、「異化」と呼ばれています。これは細胞の中でエネルギー源を変化させて異なった形のエネルギーにすることを指しています。

エネルギー源の摂りすぎを減らして、運動を増やして、体脂肪の蓄積を減らそうとするだけなら、これだけで終わりでよいかもしれません。しかし、エネルギー代謝は何のために行っているのかということを考えると、エネルギーは消費されるものではなく、活用するものだということがわかります。

エネルギー代謝の後半は「同化」といって、細胞の中で低分子化合物から高分子化合物を合成する反応をさしています。たんぱく質は分解されてアミノ酸になって細胞の中に取り込まれていますが、このアミノ酸から身体に必要なタンパク質を作り出すのが同化です。ブドウ糖から糖質、脂肪酸から脂肪(中性脂肪)を合成するのも同化の結果です。

細胞は、それぞれの役割があり、それらの役割を果たすことができるのは酵素が存在しているからです。酵素は生化学反応を促進させる触媒のようなもので、わずかな量で大きな反応を起こすことができます。酵素はアミノ酸で構成されていて、肝臓で合成されて各細胞に運ばれていきます。

このほかにホルモンを作り出すことにも、そのホルモンを使うためにもエネルギーが必要になります。一つの神経細胞から他の神経細胞へと情報を伝えていく神経伝達物質は、エネルギーを使うことによって押し出され、エネルギーを使うことによって受け取ることができます。

エネルギー代謝を起こすために必要な代謝促進成分は、アミノ酸から作られます。脂肪代謝を進める作用があるL‐カルニチンは必須アミノ酸のリシンとメチオニンから合成されますが、L‐カルニチンによって脂肪酸が細胞のミトコンドリアに取り込まれて、エネルギーが作り出されるようになります。

このエネルギーによって、新たにエネルギーが作り出されるということで、L‐カルニチンによるエネルギー代謝の促進は全身のエネルギー産生に重要な役割を果たしているのです。

ちなみにですが、ここでは「たんぱく質」は食品に含まれている成分、「タンパク質」は体内の成分というように用語の使い分けをしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕