理想実現のための代謝促進7 体脂肪を増やすダイエット

体脂肪は脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪のことで、これを単純に増やすだけなら、太りやすい生活をしていればよいことになります。しかし、それでは不健康な太り方になってしまいます。

中性脂肪は脂肪酸3個が結びついた貯蔵型の脂肪で、食品に含まれている脂肪も、私たちの体内の脂肪細胞の中の脂肪も中性脂肪の形となっています。中性脂肪は胃で消化されて脂肪酸になり、小腸から吸収されたあとは肝臓に運ばれて中性脂肪に合成されます。

余分に食事をすると、体内では糖質もたんぱく質も余った状態になり、これをエネルギー源として体内に保存しておくために中性脂肪に合成されます。多くの量を食べて、その割には運動をしなければ、体内(脂肪細胞や血液中など)の中性脂肪が増えるのは当たり前のメカニズムです。

体脂肪は余計なものと考えられがちですが、飢餓状態に備えてのエネルギー源、寒さに対する保温、体外の刺激などからの身体の保護などの重要な役割をしています。体脂肪は免疫の維持にも重要で、体脂肪が平均よりも5%ほど多いほうが免疫は高いとされています。

体脂肪を増やすと同時に、いつでも体脂肪をエネルギー化して多くのエネルギーを作り出せるように筋肉を増やしておくことも必要です。運動で体脂肪が減るのは、有酸素運動によって脂肪酸を消費したときで、筋肉運動の無酸素運動ではブドウ糖が多く消費されています。

体脂肪を適度に増やしながら、筋肉を増やすには筋肉運動が効果的ということです。筋肉運動は興奮作用があるアドレナリンを分泌させますが、脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪はアドレナリンによって分解され、脂肪酸が血液中に放出されます。

この脂肪酸が筋肉細胞に取り込まれて、効果的なエネルギー源として使われます。このエネルギー源を使って多くのエネルギーが作り出され、そのエネルギーが細胞を代謝させていくので、筋肉を増やすための運動は脂肪を減らすことにもなるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕