発達栄養43 腸の仕組み2

消化と吸収に関わる酵素は、弱酸性から中性のpHの中で最も働くようになっています。胃液の分泌量が多ければ、腸内のpHは消化・吸収に適した状態となりますが、胃液が少なくなり、pHが低下すると消化・吸収に影響が出るようになります。
大腸は約1.5mの長さがあり、小腸の2倍ほどの太さ(5~7㎝)があり、盲腸、結腸、直腸に分かれます。結腸は上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられます。大腸壁は小腸よりも薄く、輪状ひだや繊毛はみられません。
小腸で分泌される消化酵素は膵臓で作られています。膵臓は肝臓の下側にある細長い臓器で、内部にはランゲルハンス島と、これを取り囲むように腺房があります。ランゲルハンス島はホルモンを分泌する内分泌器官で、α細胞からは血糖値を上昇させるグルカゴンが、β細胞からは血糖値を下降させるインスリンが分泌されます。腺房からは消化器官に消化酵素が分泌されるため、外分泌腺と呼ばれます。つまり、膵臓は内分泌器官と外分泌器官の両方の役割があることになります。
肝臓は体重の50分の1もの大きさがある臓器で、栄養素の合成と貯蔵、解毒などの働きがあります。外分泌器官としては、胆汁を合成して十二指腸から分泌されています。胆汁には消化酵素は含まれていませんが、脂肪の消化に作用する胆汁酸が含まれています。胆汁酸はコレステロールから作られています。
吸収された糖(ブドウ糖などの単糖)は肝臓でグリコーゲンに合成されます。脂肪酸は肝臓で中性脂肪に合成されます。アミノ酸は肝臓でタンパク質に合成されます。合成後には、一部は肝臓内に貯蔵され、多くは血流に乗って、全身に運ばれていきます。