発達障害支援27 施設の充足率

文部科学省は2022年に「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」を実施して、その結果を発表しました。この調査によると、通常教育を受けている子どものうち発達障害の可能性がある小中学生は8.8%と発表されています。

これは知的発達に遅れはないものの学習面や行動面に著しい困難を示すと担任が回答した児童で、担任の主観に基づく調査結果です。実際は、もっと多いと推定されていて、調査のたびに発達障害児の数は増えています。少なくとも10%は超えているというのが大方の見方です。

発達障害児の支援については、児童福祉法に基づく障害児通所支援事業所(児童発達支援事業、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援事業)の支援活動とともに、発達障害による学習への困難さがみられる子どもの支援が実施されています。全国では、児童発達支援事業10,183件、放課後等デイサービス17,372件、保育所等訪問支援事業1,930件が活動しています(「令和3年厚生労働省社会福祉施設等調査の概況」厚生労働省)。

発達障害児の支援事情は地域によって大きく異なります。岡山県を例に見てみると、医療・福祉・教育が充実している関係もあって県内には発達障害児支援施設が320事業所あります(令和5年4月現在)。

1日の利用定員数は10人の事業所が多く、週に1回の利用とした場合の定員は50人となります。稼働率が100%であった場合には約1万6000人の受け入れが可能となっています。岡山県内の児童数は約24万人であり、発達障害児の割合が10%とすると約2万4000人と推定されます。

この計算からすると、発達障害児支援施設を利用できるのは65%ほどで、残りの35%は通所しての発達支援が受けられない状況にあります。あくまで100%稼働率で計算した場合のことです。

岡山市の発達障害児支援施設は230事業所です。岡山市の人口は岡山県の人口の約38%となっていることから、岡山市内の児童数は約9万人いて、そのうちの10%が発達障害児とすると9000人が対象者となる計算となります。

1事業所の受け入れ人数が50人とすると定員は1万1500人となり、稼働率が100%であれば足りていることになります。しかし、定員に達しない事業所も多く、利用を希望されても、実施している内容から受け入れができないことがあり、人件費や費用の高騰などもあって、活動を縮小している事業所があるのが実態です。

そのことから単純計算で充足率を考えるわけにはいかないということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕