発達障害支援3 社会的障壁の考え方

発達障害者支援法では、発達障害者(18歳未満は発達障害児)は、発達障害があるだけでなく、社会的障壁によって日常生活や社会生活に制限が生じている人を指しています。

社会的障壁は、発達障害がある人が日常生活や社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものを指しています。発達障害がある人が生きにくい状況は、社会的障壁のせいであって、それがなければ困難さを抱えることはないという考え方がされています。

発達障害は障害の一つとして、障害とは何かということを考えてみると、やりたいことができないこと自体が障害であって、障害はその人の責任ではなくて、望むようなことができない状況が障害です。例えば、車椅子生活の人が2階に行きたくても自力で階段に登れず、エレベータもエスカレータもない状態が障害です。

障害者は障害が生み出しているわけであって、発達障害がある人は社会的障壁によって発達障害者(発達障害児)となっています。発達障害は、その特性から生活に困難さを抱えていますが、周囲の理解と協力によって社会的障壁を取り除くことができれば、発達障害があっても発達障害者(発達障害児)にならずに済むことになります。

発達障害がある人を発達障害者(発達障害児)にしているのは、その周囲にいる私たちなのだという認識をもって、それを取り除く工夫と努力をするのは、地域で暮らす住民の務めであると言うことができます。

その務めを果たすためには、まずは発達障害の実態を知り、どんな特性があって、どんな苦労をしているのかを理解することから始まります。そして、理解した上で、それぞれの方が特技や特性をもって、できることから支援をするということが重要になります。

その機会として、私たちは発達障害サポーター(認知症サポーターの発達障害版)を増やしていくことが必要だと認識しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕