渡る世間に“鬼は外”

福は内と並ぶ慣用句といえば、誰に聞いても「鬼は外」と答えが返ってきます(返ってくるはず)。前回は「笑う門には“福は内”」を取り上げたので、それに続いて「渡る世間に“鬼は外”」を取り上げました。

誰もが知っている(はず)の諺(ことわざ)は「渡る世間に鬼はない」です。わざわざカッコをつけて(はず)と書いたのは、中には「鬼はなし」と覚えている人がいるからです。

もう一つの意味合いは、「渡る世間は鬼ばかり」のほうを覚えている人がいるからです。

これはクイズ番組にも使われたネタで、「『渡る世間』に続く言葉は」という質問に対して、“鬼ばかり”と言った回答者が笑われるというシーンでした。

本当に、橋田壽賀子ドラマ(TBS)のタイトルが正しいと思い込んでの回答なのか、それともバラエティ番組の台本的なネタなのか、わからないところですが、本来の意味は「世の中には鬼のような人だけではなく、情に厚い人は必ずいる」、「世の中は殺伐とした無慈悲な人ばかりではなく、そこに住む人も鬼のような無情な者ばかりではなく、情け深い優しい人もいる」といったことを指しています。

そう思いたくても、コロナ禍のように経済面でも人間関係でも厳しい状況が続くと、「渡る世間に鬼はない」と構えているわけにもいかず、鬼のような人は追い出してしまいたい、それこそ節分の豆まきのように、豆をぶつける追儺で疫病神、疫鬼を払いたくなるのは当たり前の感覚です。

そんな時代だからこそ、『渡る世間に鬼は外』と話して、今後の対策を考えるようにしようということを伝えています。金持ちであっても、人脈が多い人でも、災いのほうが多いと思われる人の場合には、鬼と決めつけて近寄らないようにさせることも必要です。そして、鬼は外の次には『笑う門には“福は内”』と、いつも笑っていられるような人との付き合いを始めるようにしたらいいということも伝えているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕