発達障害支援6 99%の支援では不足しているのか

99%という言葉を使うときには、あと1%、たった1つをプラスするだけで100に達するという意味で使われることが多くなっています。これは100が100%、100点というわかりやすい目標を示すために使われるからですが、99%ではいけないのか、99%でも充分な支援になるのではないか、ということを考えるために、わざと使うことがあります。

99%では意味がないということを伝えようとする人が使う例に、99℃はお湯ではないということがあげられます。99℃でも充分に熱くて、100℃の沸騰したお湯でなければいけないとされているもの(カップラーメンでも)は99℃では食べられないということはありません。

しかし、化学的には100℃に達して沸騰したものがお湯であって、99℃までは温水です。英語ではお湯はboiled waterで、温水はhot waterです。頑張った結果、沸騰状態になることを目指しているなら100℃でないと意味はないということです。

ところが、発想を変えると、100℃でないと沸騰しないというのは平地の1気圧の状態でのことで、大気圧が低くなる高地では沸点が低くなります、富士山頂では90℃ほどで沸騰します。そのために100℃を沸騰温度として想定したものは煮えないということにもなります。

それであっても沸騰させて飲み物を飲もうとするなら問題はありません。100%でなくても100%と同じような結果となるのが気圧の話ですが、子どもの支援をするときに、100%の結果が出なければ意味がないのか、99%でも、それよりも低くても意味があるようにするには、どうすればよいのかを支援する側は考えるべきではないでしょうか。

水を加熱して沸騰させようにも90℃までしか温度が高まらないときに、100℃と同じ結果を得る方法があります。それは圧力鍋を使うことです。圧力をかけると100℃に達しなくても沸騰して、食品の状態を変えることができます。

これと同じように、これまでの常識ではなく、新たな発想で取り組むこと、新たなものを取り入れることで100%と同じ結果を出すことができる、というのが通常の方法では定型発達(発達障害ではない)でしか合格とならないことでも、合格にする方法です。それを考えるのが支援する側に求められているという話をするときに、99%をテーマとして話をしているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕