ダイエット番組で聞き逃せない話を医師がコメントしていました。「パンは小麦粉で作られているが、硬いパンなら血糖値が上昇しにくく、太りにくい」という内容ですが、硬い、軟らかいということよりも、エネルギー量に注目してほしい、ということを週刊誌の記者に話をしました。
粉と粒を比べると、粉になったものは消化されやすい形になっているので、そもそも分解・吸収されやすくなっています。硬く焼いたから分解されにくいということではありません。硬いパンは持つとズッシリ感があります。それだけ中身が詰まっていて、小麦粉が多く使われています。だからエネルギー量も多いわけで、硬いパンなら太りにくいとは言えないだろう、との考えです。
別の番組ですが、パンだけだと太りやすいが、食物繊維が多い種子やレーズンが入ったパンなら安心、という話をしていた専門家がいました。食物繊維が多ければ消化に時間がかかって、血糖値が上がりにくいということを言いたいのだと思いますが、パンの小麦粉の糖質の吸収を抑えるのに、どれだけ多くの食物繊維が必要かという部分が抜けています。どんなに効果がある成分であっても、量が少なければ効果が得られないことになります。「成分が含まれている=効果がある」とはならないこともあることを伝えてほしい、という話をしました。