肘を曲げたら長く歩けない

新聞社からウォーキングのイラストを確認してもらえないかという話がありました。興味があることなので引き受けましたが、案の定の中身でした。案の定というのは、歩いている人が前側の腕の肘を曲げていて、反対側の腕は下方向に伸ばしていました。両方の腕を曲げているのに比べたら、まだよいものの、肘を曲げたら歩幅が狭くなり、長くは歩けなくなります。
腕の振りは振り子と同じで、支点からの長さがあるほど振りは大きくなります。短いと振り幅が狭くなって、早く振れることになります。だから、早く走るときには肘を曲げて、腕を早く振ると同時に足も速く前後に動かすことができます。短い距離を走ったり、猛スピードで歩くには肘を曲げてもよいのですが、歩く場合には歩幅が狭くなって、長い距離を歩けなくなります。
今回のイラストの見本となったのは、ウォーキングの写真でした。WEBサイトでウォーキングの写真を検索すると、ほとんどが肘を曲げた姿勢になっています。長距離を歩いているのを撮影すると、腕は伸びたまま前後するだけなので、活動的には見えません。だから、活動的に見えるように肘を曲げたポーズを取ってもらっているのでしょう。
WEBサイトでウォーキングのイラスト集も見て見ましたが、やはり肘を曲げた姿がほとんどです。グルコサミンやコンドロイチンが含まれたサプリメントのテレビコマーシャルでも同じように肘を曲げて歩いています。こういったことのために、ウォーキング教室を行っても、肘を曲げて歩き始める人が多いので、あまりに当たり前の歩く姿勢の指導から始めています。
ノルディックウォーキングや、ポールウォーキングの中でもアクティブな歩き方を推奨しているのは、肘を曲げた歩き方ができないので、その歩き方が身につくということもあります。