脂肪代謝促進研究1 代謝促進成分の研究

血液中には食事で摂った中性脂肪が分解された脂肪酸と、脂肪細胞の中に蓄積された中性脂肪が分解されて放出された脂肪酸が流れています。この脂肪酸は全身に60兆個以上ある細胞に取り込まれて、その中にあるエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアに入って、エネルギー化されます。

脂肪酸がミトコンドリアの膜を通過するときにはL‐カルニチンと結びつく必要があります。L‐カルニチンがなければ、脂肪酸はミトコンドリアに取り込まれることはできないのです。

L‐カルニチンは生命維持の重要な成分であることから、必須アミノ酸のリシンとメチオニンを材料に肝臓で合成されています。しかし、合成のピークは20歳代前半で、年齢を重ねるほど合成量も体内の保持量も減っていきます。そのことが加齢による代謝の低下を起こす原因となっています。

体内で合成されるL‐カルニチンが大きく不足するために身体に異常が起こる疾患にカルニチン欠乏症があります。これは筋肉壊死、ミオグロビン尿、脂質蓄積性ミオパチー、低血糖、脂肪肝、筋肉痛、極度の疲労、心筋症を伴う高アンモニア血症を起こすもので、その改善に使われる医薬品がL‐カルニチンです。

2001年まではL‐カルニチンは医薬品の成分としてしか使うことができなかったのですが、2002年に食薬区分の見直しによって食品の成分としても使うことが許可されました。そのおかげで今はエネルギー代謝促進のサプリメントとしても活用することができるようになりました。

これを国に働きかけたのはスイスに本社がある世界的な製薬会社のロンザ社の日本法人で、これを受けて日本人のためのL‐カルニチン研究を進めた研究の第一人者は日本メディカルダイエット支援機構の王堂哲副理事長です。

王堂副理事長は、現在はロンザ社のニュートリション部長から顧問となり、複数の大学で客員教授、非常勤講師を務めています。また、L‐カルニチンの実践研究を進めるため、大学の研究室にも所属して、運動や生活習慣病などへの使用についての研究も続けています。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕