脂肪代謝促進研究18 代謝促進成分の摂取タイミング

L‐カルニチンが脂肪酸のエネルギー代謝、α‐リポ酸がブドウ糖のエネルギー代謝に作用する代謝促進成分であり、コエンザイムQ10がTCA回路の代謝促進の補酵素ということで、この3種類の成分が医薬品成分から食品成分として使用することが許可されたときに、3種類を組み合わせたダイエット用サプリメントが数多く登場しました。

コエンザイムQ10、L‐カルニチン、α‐リポ酸は、それぞれ働きが異なり、複合的に作用することで脂肪酸とブドウ糖のエネルギー化が進むことで、ダイエット効果が得られるというのは当たり前の考えです。エネルギー代謝が進むとTCA回路で作り出されるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が増えて、それだけ細胞内で生化学反応を起こすエネルギーが増えることになります。

3種類の代謝促進成分を一つのサプリメントに使って、一度に摂取するのは効果的であるように思えても、そう簡単にはいかないのがサプリメント成分の難しいところです。

コエンザイムQ10は脂溶性の性質があり、胃の中に脂肪があることによって溶けて吸収されるようになります。胃の中に食べたものがない空腹時に摂ると小腸で吸収されずに、素通りすることになります。だから、食事の前後に摂るべき成分ということになります。

α‐リポ酸は水溶性成分であるので、いつ摂っても吸収されるように思われますが、胃液で分解されやすくなっています。分解されたらα‐リポ酸ではなくなることから、胃液が分泌されていない空腹時に摂る必要があります。コエンザイムQ10とα‐リポ酸は摂るべきタイミングが異なっているので、同時に摂る組み合わせは向いていないことになります。

L‐カルニチンは水溶性で、いつ摂っても吸収されるのですが、食事の内容によって吸収率が異なります。L‐カルニチンは肉に含まれる成分で、動物性たんぱく質と相性がよく、動物性たんぱく質が多く含まれる肉、魚、卵などの食事の前後に摂ることがすすめられます。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕