脂肪代謝促進研究19 中性脂肪値に作用するL‐カルニチン

脂肪代謝促進作用がある素材は、血液中に放出された脂肪酸を筋肉細胞に取り込み、エネルギー代謝を促進する作用があるものです。

脂肪代謝促進作用のある素材として特に注目されるのはL‐カルニチンです。

L‐カルニチンは必須アミノ酸のリシンとメチオニンから合成されるアミノ酸の一種で、体内に蓄積されています。L‐カルニチンは肝臓で少量が合成されているものの、20歳代前半をピークに減少して、次第に不足ぎみになります。L‐カルニチンは細胞のエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアに脂肪酸を通過させるために必要で、脂肪酸はL‐カルニチンと結びつかなければミトコンドリアの膜を通過することができません。

ミトコンドリアに取り込まれた脂肪酸が増えると、脂肪の代謝が高まることが確認されているので、ミトコンドリアへの取り込みが進めば、エネルギー代謝が高まっていきます。
肩甲骨や首、わきの下にある褐色脂肪細胞を活性化して熱エネルギーを発生させるとともに、脂肪を分解する酵素のリパーゼを活性化させます。

また、抗酸化作用があり、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDL(低比重リポ蛋白)の酸化を防ぐ作用があります。LDLは酸化すると動脈硬化を進行させる変性(酸化)LDLになることが指摘されています。

加齢によって生成量が減少するので、サプリメントや食品で摂取する必要があります。食品では、羊肉(ラム肉やマトン)、豚肉に多く含まれます。

肉類の摂取が多い欧米人などでは体内に多く蓄積されているため、サプリメントで摂取しても効果が得にくいものの、日本人は蓄積量が少ないためサプリメントの効果が表れやすくなっています。たんぱく質の中に含まれる成分であることから、たんぱく質が多い食品とともに摂ることで吸収率が高まります。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕