脂肪代謝促進研究20 健康食品は弱い薬と同じなのか

健康食品のことを医薬品と同じように考える人がいたり、医薬品を弱めたものと考える人もいます。健康食品は法律的には食品で、特定保健用食品、機能性表示食品は身体に与える機能の一部だけを表示することは許可されているものの、それは血糖値の上昇をゆるやかにする、血圧を抑制するといった科学的に裏付けられている結果であって、高血圧症や糖尿病などの病気を治すというものではありません。

それでも医薬品を使わずに改善することへの期待感は依然としてあります。下剤に使われるセンナにはセンノシドというアフリカ原産の生薬で、腸の蠕動運動を活性化させて便通を促進する成分が含まれます。センナの葉と葉軸は医薬品成分となっています。健康食品に使われているのは茎で、センノシドの含有量が異なっています。医薬品のリストにはセンナの葉と葉軸は医薬品成分として掲載されていて、それ以外の部分は健康食品の成分となっています。

これ以外に医薬品成分と健康食品成分の両方に使われているものがあります。それはコエンザイムQ10、L‐カルニチン、α‐リポ酸で、もともとは医薬品成分でした。それが2001年にコエンザイムQ10、2002年にL‐カルニチン、2004年にα‐リポ酸が食品成分としても使用することが許可されました。このことから「健康食品は弱い薬と同じ」という感覚は、あながち間違っていないことになります。

L‐カルニチンは細胞のミトコンドリアの膜を脂肪酸が通過するときに必要な成分で、通過することによってエネルギー代謝が始まります。L‐カルニチンは重要な代謝促進成分であることから体内で合成されているのですが、そのピークは20歳代前半です。年齢を重ねると代謝が低下して太りやすくなるのは、L‐カルニチンが不足していくからです。

それを補うことができるわけですが、医薬品は病気にならないと処方されないのに対して、健康食品なら自由に摂取することができます。そこが健康食品の優れた点ということができます。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕