脳の健康寿命103 影響が大きいのは遺伝か生活習慣か

高血圧の体質は遺伝すると言われています。それは統計的にも明らかにされていて、一般には両親ともに高血圧ではない場合には子供が高血圧になる確率は5%ほどですが、両親のうち片方が高血圧なら約4分の1、両親ともに高血圧なら約2分の1が高血圧になるといわれています。
味覚の傾向は遺伝によるとの考えがある一方で、あくまで生活習慣によるものだという考えもあります。味覚について取り上げるのは、塩分に含まれるナトリウムが血圧上昇に関わっているからです。
親が塩辛い味付けを好む場合には、食事の味付けが濃い傾向があり、その食習慣が受け継がれた結果とみることもできます。外食のときに味を確かめずに塩や醤油、ソースをかける人は食塩を1日に約20g、味を確認してからかける人は約12g、そして調理の味付けのみで食べている人は約6gを摂っているという報告があります。
高血圧は病気によって高まる傾向があるものの、高血圧の約90%は本態性高血圧と呼ばれるもので、原因となる病気が見当たらないのに血圧が上がっています。特徴的な症状がないために血圧検査で発見されることが多くなっています。
本態性高血圧は、要因が一つではなく、複数の要因が重なって起こると考えられています。本態性高血圧で最も影響を受けるのは遺伝で、片親が高血圧だと50%ほどに、両親ともに高血圧だと70%ほどの人に高血圧が現れるといわれています。
栄養バランスが乱れて血液中のビタミン、ミネラルが不足すると、これらの栄養成分を体の組織が取り入れるために自律神経の交感神経の働きが高まり、血流を高めて栄養成分を早く届けられるように血圧が上がりやすくなります。また、ストレスも交感神経の働きを活発にさせて、末梢血管を収縮させることから血圧が上がることが知られています。