骨密度の低下というと高齢者に特有の状態と思われがちですが、それは骨粗鬆症の状態のことであって、骨密度の低下は40代半ばを過ぎると始まっています。骨密度のピークは20歳前後とされています。そこから40代半ばまでは横ばい状態ですが、それを過ぎると低下が進むようになります。
骨密度はカルシウムの摂取と吸収に関わっていて、男性と女性を比較すると男性のほうが骨密度は高くなっています。これは活動量や骨への負荷の強さが関係しています。女性は男性よりも低い状態で徐々に低下していきますが、閉経になると急激に低下するようになります。
女性の骨へのカルシウムの吸収には女性ホルモンのエストロゲンが関わっています。エストロゲンは骨へのカルシウムの吸収を進めるとともに、骨からのカルシウムの溶け出しを抑制する作用があります。
閉経になって骨密度が急激に低下するのは、エストロゲンの分泌が低下することによって閉経が起こり、エストロゲンの骨への影響が強くなっていくからです。
カルシウムは不足しやすいカルシウムで、特に女性は摂取量が少なくなっています。厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、女性は推奨される摂取量の550mgに対して30代、40代は30%ほども不足しています。男性は女性よりも不足率は低いといっても、年齢によっては20%ほども不足しています。
カルシウムの摂取というと牛乳が思い浮かべられますが、牛乳にはリンも含まれています。カルシウムとリンが結びつくとリン酸カルシウムとなって吸収されにくくなるので、期待よりも摂取率が低くなります。
日本人は歴史的に牛乳を飲んでこなかったこともあり、吸収しにくい傾向があります。日本人に向いているのは小魚や海藻とされています。
骨密度を高めるための運動法については、身体年齢測定後に、実年齢との差に合わせて、実践法を紹介していきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕