身体年齢16 免疫力の加齢推移

年齢を重ねていくと免疫が低下していきます。一般には免疫力と呼ばれていますが、これは免疫の能力のことで、免疫は身体にとっての敵(自己)と味方(非自己)を判別して、敵だけを攻撃することを指しています。

人間は亡くなったときから腐敗が始まります。生きている人間が腐ることがないのは、免疫が働いて、腐敗させる細菌やウイルスなどに対抗しているからです。免疫は健康維持のためには欠かせない能力となっています。

免疫は20歳代をピークにして、40歳代では50%、50歳代では40%、60歳代では30%、70歳代では20%にも低下します。80歳代では10%にも低下するとされていますが、70歳で10%に低下するとの説もあります。

免疫を司っているのは免疫細胞(白血球、リンパ球)ですが、その量は加齢によって大きく減少することはありません。免疫細胞は骨髄で作られ、胸腺で活性化しています。胸腺の能力は40歳を過ぎると大きく低下するため、骨髄で作られた免疫細胞の数は変化なくても、免疫細胞の能力が低下していくことになります。

免疫細胞の活性が低下するのは、免疫細胞の非自己を判断する能力が低下するからです。外敵を判断する能力が低下すると、本来なら攻撃して排除できたはずの外敵が強く働き続けることになります。

また、高齢になるとリンパ球のT細胞(外敵を攻撃する免疫細胞)、B細胞(外敵を攻撃する抗体を作る免疫細胞)の活性が低下します。さらに、炎症反応の制御が低下して、炎症が治りにくくなっていくのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕