身体年齢が実年齢に比べて進んでいる状態、つまり実年齢よりも身体が老化している状態として目立っているのは下半身の筋力の低下です。全身の筋肉のうち平均的には下半身(ヘソから下側)に70%ほどがついています。
下半身の筋力低下は老化の指標であり、下半身の筋肉が減ってくると、初めの状態としては歩く速度が遅くなります。家族や友人などと歩いても、自分だけが遅れてしまう、他の人が早歩きをしたときにはついていけなくなるということが起こります。
高齢者の運動不足を指摘するときに、よく言われるのは「歩かないと歩けなくなる」ということです。“歩けなくなったから歩かなくなった”ではなく、“歩かなくなったから歩けなくなった”ということで、少しでも歩くようにすることがすすめられます。
このことは歩く速度についても同じことで、早く歩いていないと早く歩けなくなっていきます。歩くだけであったら、どんなに時間がかかっても歩くようにすればよくて、足腰に負荷がかかるような歩き方をしなくてもよいし、誰かに寄りかかって歩いてもよいことになります。
早く歩くためには、身体のバランスをとって、後ろに強く蹴るようにして、前に大きく脚を踏み出して、勢いよく前進していくという歩き方が必要になります。そのためには脚力が必要で、このような歩き方を脚力が衰えてきてからやろうとしても難しいことです。
また、早く歩くことは心肺機能を高めることになるのですが、その機能が低下してきてから早歩きをしようとしても息が苦しくなる、心臓に負担がかかるということで、やりにくくなります。
早く歩くことで筋肉がより動いて多くのエネルギーを作り出す筋代謝力が高まっていきますが、エネルギーを作り出す能力が低下してからは効果が得にくくなります。ずっと早歩きをする必要はなくて、歩いている途中で早歩きを取り入れるということは、ずっと元気に歩き続けたいと願う人には実施してほしいことです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕