片足立ちは身体平衡機能の指標とされています。片足立ちには開眼(目を開けての)片足立ちと閉眼(目を閉じての)片足立ちがあります。これまでは閉眼片足立ちの時間が身体平衡機能の指標とされてきました。
閉眼片足立ちは筋力とバランス能力が表れやすく、その時間は年齢を重ねると大きく低下していきます。閉眼片足立ちの時間の低下度合いは20歳代をピークとすると60歳では30%、70歳では20%以下にもなっています。
全身の筋肉量のうち約70%は下半身(ヘソから下)にあり、全体の筋肉が減少して筋力が低下してくると、片足立ちで全身を支える能力が低下してくることが推定できます。
閉眼片足立ちの時間が短いほど糖尿病の発症リスクは高くなるといった研究成果もあり、筋力の低下は生活習慣病にも関わることが明らかにされています。
筋肉の低下とバランス能力の低下は転倒リスクを高めることにもなります。高齢者の事故で最も多いのは転倒によるものです。年齢別に見ると、50歳から転倒が増え、そのピークは55〜65歳となっています。
それ以降は活動量が減るために、転倒の危険があることをする機会が減っていきます。ただし、高齢者は家庭でも転倒することが多くなり、小さな段差でも転倒する可能性が高くなります。
高齢者の場合には、閉眼片足立ちによって転倒するリスクが高いことから、身体年齢の測定では開眼片足立ちで測定することがすすめられます。開眼片足立ちの場合には、閉眼閉眼片足立ちよりも時間が延びますが、それの割合が約4倍(4.17倍)になることが確認されています。
そこで開眼片足立ちでの測定では、計測された時間の4分の1を閉眼片足立ちの数値として採用することとしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕