発達障害支援9 グレーゾーンの対応

グレーゾーンの3パターンについては前回も紹介しましたが、対応を考える上で、主な状態の3パターンを再確認しておきます。

①調子が良いときも悪いときも診断域外にいるが、診断域との境界に限りなく近い状態の人

②調子の悪いときのみ診断域に入る状態となる人

③ほぼいつも診断域内の状態で、発達障害がある人と同じくらいの支援を必要とする人

これはあくまで主な状態であって、発達障害の現れ方が千差万別であるのと同じように、グレーゾーンも確実に区別できないところがあります。

発達障害は数値的な基準がないために見極めにくく、学業成績がよいためにグレーゾーンと気づかれず、大人になってから発覚することがみられます。発達障害の特性に気づかず、適切な支援が受けられないことから、周囲に理解されないまま成長して失敗体験を積み重ねることにもなります。

そのために新たな障害が生じることは二次障害と呼ばれています。二次障害としては、いじめ、不登校やひきこもり、うつ病などの精神疾患、家庭内暴力、アルコールなどの依存症などがあげられます。

二次障害は適切な対処が行われないと状況が悪化して、長期化する傾向があります。グレーゾーンでは二次障害の防止が重要なポイントとなってきます。

二次障害を防止するためには、子どものもつ発達上の特性を家族などが認識して理解している必要があります。

二次障害が生じたとしても早期に発見、対処することによって、悪化や長期化を防ぐ可能性を高めることができることから、発達障害の理解を進め、社会的な支援を充実させることが非常に大切になってくるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕