関節を動かすことで軟骨は再生する

膝の軟骨が減っていくなら、軟骨の成分を増やせばよいというのは当たり前の感覚です。骨の減少を防ぐにはカルシウムの摂取がすすめられますが、軟骨の場合にはグルコサミンとコンドロイチンの摂取がすすめられています。
グルコサミンは関節の軟骨の成分で、糖の水酸基の一部がアミノ基で置換されたアミノ糖の一種です。グルコサミンは、カニ、エビなどの殻や甲羅を原料とした動物性食物繊維から作られます。殻や甲羅を食べても、これを人間は消化することができないので、吸収できるように加工した健康食品成分として摂る必要があります。
コンドロイチンは粘度の高いムコ多糖類の一種で、潤滑液の役割をしています。食品では納豆、オクラ、山芋、海藻、フカヒレ、スッポンなどに多く含まれています。コンドロイチンは食品からも摂ることができますが、食品からは摂りにくいので効果的な補給には健康食品が活用されます。
有効成分を摂って、それだけで軟骨に定着してくれればよいのですが、摂るだけでは定着してくれないのが軟骨成分の特徴です。定着させるためには、膝の関節を動かす必要があります。というのは、軟骨には血管が通っていないからです。
軟骨に必要な成分を届けているのは関節液です。骨の軟骨が触れ合っている部分は、関節包という風船状のもので包まれていて、その中にある滑膜には関節液が満たされています。血管は滑膜までは来ていて、そこから先は滑膜が収縮して動くことによってポンプ作用で関節液へと血液の成分が入っていきます。その結果、関節液から軟骨へと送られていくことになります。滑膜は関節が動くことで収縮することから、膝が痛くても動かさないと軟骨や潤滑成分を増やして痛みを軽減させることはできないわけです。
軟骨の再生には長い期間がかかりますが、その期間に痛みがあっても関節を動かさなければならないために、膝の痛みの軽減を目的とした健康食品には痛みに効果があるとされる成分が、グルコサミン、コンドロイチンとともに使われています。