「三つ子の魂百まで」は、幼いころの性格や性質は年を取っても変わらない、という意味の諺(ことわざ)です。岡山市南倫理法人会のモーニングセミナーの講話の中で、いろいろとヒントになる言葉をいただきながら、この諺を何度か思い浮かべることがありました。
自分が3歳だったときのことを思い出してみて、自分の性格や性質は確かに3歳から作られていって、それが今も引きずっていると感じています。自分の場合は、3歳になったばかりのときに親元を離れて、母親の実家の寺で小学校に行く手前まで暮らしていました。
そのときに身についたことが性格と性質に関与しているのは間違いのないことで、今でも住職の祖父から言われたことが行動に影響しています。それは「仏様へのお供えの下がりもので暮らしている」という言葉で、欲望を出すことなく、いただいたものを大切に生きていくという考えにつながっています。
3歳のときの性格と行動が100歳まで続くとしたら、あと何年引きずるのだろうか、「三つ子の魂」を大切にしたら100歳まで生きられるのか、と余計なことを考えたりもするのですが、岡山で始めた発達障害児の支援活動でも「三つ子の魂」は重要なキーワードになっています。
発達障害があることに気づくのは3歳児健診の機会が多く、身体的な発育状態とともに心理的な発育状態の健康診査も行われます。発達障害は生まれつきの特性で、ある程度の改善は可能であっても、その特性は生涯にわたって続きます。
3歳のときの性格と行動は生涯の特性であり、それに合わせた支援は子どものときから始まって、本来は生涯を通じて行われなければならないはずです。ところが、そうはなっていないのが現状で、発達障害でも定型発達(発達障害でないことは、こう表現されています)と変わらないように「百まで」過ごせる社会に少しでも近づけていくには多くの理解者と支援者が必要です。
「魂」という言葉は、発達支援をしていると、生まれながらにして持った性格という意味よりは、“生まれながらの才能”と表現するのが正しいと感じます。特性を社会に合わせて変えさせることよりも、才能を花開かせることが重要ということも理解してほしいのです。
優しい人たちに初めに理解してほしくて、それを倫理法人会の会員に期待してしまう自分が、ここにいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕