認知機能は試験だけではわかるのか

「100から7を順番に引いてください」というのは、認知症かどうかを評価するために医療機関で行われている質問の一つです。即座に答えられないと認知症と疑われかねないからと「93」、「86」、「79」、「72」、「65」という数字を覚えてから病院に行こうか、と出版社の編集部長が話していました。そんなにも記憶することはなくて、病院で使われている長谷川式認知症簡易評価スケールでは100から7を2回引くだけです。
そんな話をしたら、それなら安心という顔をしていましたが、長谷川式認知症簡易評価スケールに基づいてされる質問は他にもあります。すべての質問を列挙すると、「歳は幾つですか?」、「今日は何年の何月何日ですか? 何曜日ですか?」、「私たちが今いるところはどこですか?」、「これから言う3つの言葉を言ってみてください」、「100から7を順番に引いてください」、「これから言う数字を逆から言ってください」、「先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください」、「これから5つの品物を見せます。それを隠しますので何があったか言ってください」、「知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください」。
これなら大丈夫という人がほとんどでしょうが、医師の聞き方、話し方、態度などでも答える側の反応は違ってきます。疲れているときには頭が回りにくいので、体調も考慮してほしいと考える人も多いことでしょう。
「これから言う3つの言葉を言ってみてください」という質問の後に、「あとの設問でまた聞きますのでよく覚えておいてください」と言うことになっていますが、それを言い忘れたりされると、急に言われても‥‥ということになります。
そこで、当法人では生活習慣病のチェックで用いている自覚体験(症状)と危険因子を質問することで、長谷川式認知症簡易評価スケールをやってみて不安を感じた人にチェックをしてもらい、自分でできる改善法などをアドバイスしています。その内容については次に紹介させてもらいます。