酵素は細胞の中で生化学反応を起こす成分で、酵素が正常に働くことで細胞の働きを活性させ、消化・吸収・循環・代謝・排泄などの機能を正常に保つことができます。体内の酵素はタンパク質であり、肝臓でアミノ酸から合成されていますが、合成量は若いうちは多いものの、40歳を過ぎたころから減少していく傾向があります。
酵素は、動物の細胞にも植物の細胞にも含まれていますが、それらの食品を食べれば、それが体内の酵素となって働くわけではありません。しかし、酵素が多く含まれた食品を食べることで、体内の酵素を増やしていくことができます。
食品に含まれているたんぱく質が、胃でアミノ酸に分解され、小腸から吸収されたあと、肝臓に運ばれて、酵素をはじめとした身体に必要なタンパク質に合成されます。食事で良質なたんぱく質を多く摂り、肝臓で合成される酵素が増えることによって、体内の酵素を増やしていくことができます。
肝臓で合成される酵素は、維持酵素(潜在酵素)と呼ばれています。維持酵素の合成量は、たんぱく質の摂取量によって変化はするものの、ほぼ一定しています。維持酵素は、細胞内の酵素である代謝酵素と、食べ物を消化する消化酵素に大きく分かれます。
食品に含まれる消化作用がある酵素(消化酵素)が少ないと、その分だけ胃から分泌される消化酵素が多く必要になり、代謝酵素として使われる酵素の量が減ることになります。食品から消化酵素を多く摂ることで、消化酵素の分泌を減らして代謝酵素を増やすことができるようになるというわけです。酵素を多く摂ることで代謝が高まり、体内の細胞からの老廃物の排出が進み、血液中に出された老廃物を肝臓で解毒化する能力も、腎臓で濾過して排出する能力も高めていくことができます。