「筋肉は運動をすると増やしていくことができる」と言われているので、何本に増えるのかと聞いてきたメディア関係者がいました。その質問は、例えば100本の筋肉が何本に増えるのか、という主旨だったのでしょうが、運動をしても筋肉の数は増えてはくれません。筋肉の本数が増えると考えるのは筋肉運動のことを“貯筋”と表現されていることも関係しているかもしれません。
筋肉は運動によって刺激を与えると太くなっていきます。この状態は運動を続けていないと保たれずに細くなっていきます。運動をしないと筋肉が減っていくという表現もされていますが、全体量が減っていくという意味であって、数が増えたり減ったりするわけではないのです。
ということは、運動をしていなかった期間が長くて、筋肉が細くなった人でも、今から運動を始めることで筋肉を太くしていくことができるということです。
筋肉運動をして筋肉が太くなったとします。その運動を続けていれば、どんどんと太くなっていくような印象がありますが、同じ負荷の運動を続けていても、なかなか太くはなってくれません。今よりも太くするには、もっと負荷をかけなければならないのです。
では、毎日、激しい運動をしなければならないのか、という質問を受けましたが、休むことも必要です。筋肉は強い負荷がかかると筋肉が傷つきます。この傷ついた筋肉が修復されるときに筋肉は太くなっています。これを超回復といいますが、その期間は3日です。だから“3日に1回は運動をしたほうがよい”というよりも、“3日に1日にしたほうが筋肉は増やせる”ということです。