書籍を見るときの基本中の基本は、名前を出している人が著者なのか監修者なのかです。特別に著者とも監修者とも書かれていなくて、ただ名前が出ていたら、これは著者による著書ということになります。
そこで名前を出している人が、すべてを書いているという前提で購入して読んでいくわけですが、実際は著者が一部しか書いていない、もしくはまったく書いていなくて、まるで監修者のように全体を見ただけ、場合によっては全体を見るのではなくて、ザッと目を通しただけということがあるのも事実です。
著者の代わりに書籍の文章を書くのがゴーストライターです。ゴーストライターの仕事にも種類があって、本人が話したことを書き写す口述筆記もあれば、全部を書く代筆もあります。これまで本人が書いたものや資料をもとにして書くのはリライトで、実際にはすべてを書いているのに“編集”として参加したことにさせられることもあります。
これなら種類は違っても、本人の特性は出せるし、時間があればゴーストライターを使わなかったのと同様の原稿となることもあります。
ところが、中には、本人は何もしていなくて、すべての原稿を別の人が書くことがあります。それを編集者が見て、誰が書いたことにしようかと考えるということもあります。このようなものをゴーストライターとして書いたこともありますが、普通なら著者ではなくて監修者になるはずですが、堂々と著者として発行されている書籍もあります。
本来なら書いた私の名前が記載されていてもよいわけですが、文章力と書かれた内容が優れていたとしても、名前が売れていないから別の人の名前で出るという形です。自分のゴーストライター歴の184冊のうち、そのような書籍は5冊あります。そこそこに売れて、ネットにも文章の一部が掲載されることもあって、自分の考えと資料などで原稿を書いたのにパクったと言われたこともあります。
というのも、著者として名前を出した人が、講演や書籍で私の書いたことを自分の考えのようにして稼いでいることもあって、私のほうがモノマネ扱いされたこともあるのです。
自前の原稿をもとにして資格認定講習を始めてからは、ゴーストライターの仕事、しかも通常の原稿料を大きく上回る依頼があっても、すべて断っています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)