アメリカの医療制度は定額払い方式で、同じ疾患、同じ治療法であれば、医療費も同じというのが原則になっています。日本のように長く入院させて、多くの検査をして、医薬品も多く使うということをしたら、収入は同じなので損をしてしまうことになります。ここが出来高払い方式の日本と大きく異なるところです。
だから、できるだけ医療にかかる経費を減らそうとするのが当たり前で、短い期間で費用を多く使わないで治すのが“よい医師”となって、給料も高くなります。
アメリカでは多くの医療費を使おうとしても、民間保険が基本であることから、医療費の請求金額が増えると保険会社が支払いを拒否したり、減額を求めるのは当たり前のこととなっています。そのため、定額の範囲内で治す努力をするわけですが、かかる費用を減らすことができれば、それだけ医療機関の収入を増やすこともできます。
医療費を使い放題で、多くの金額を患者に支払わせるのが“いい医師”“稼げる医師”という制度とは、まるで違っているわけです。
アメリカでは医療費が高いので、検査数値が少し高いくらいでは受診しないという人も多くいます。血圧や血糖値が高いくらいなら、自分で食事を見直し、運動をして下げる努力をします。保険組合などによっては、早期発見・早期治療によって医療費を削減するために受診をすすめて、早く自分で対応するように導くところもあります。
そのような軽い状態で医療機関を訪れた場合には、診断のマニュアルに従って判断して、治療が必要な場合にはマニュアルどおりの治療を行い、定額の請求を行います。そのときに医薬品を使うと利益が減るのは定額払いであることから、まずは食事指導と運動指導を行います。それで結果が出ないときには、食事指導と運動指導を続けたまま、自分で購入するサプリメントをすすめます。
それでも結果が出ないときには、食事療法、運動指導、サプリメント指導を続けたまま、医薬品をプラスして使うことになります。サプリメントと医薬品には相互作用があり、サプリメントの有効性を活用することで医薬品の使用量を減らすことができます。
そのために、サプリメントと医薬品の飲み合わせの研究は非常に進んでいます。そのためのデータベースがアメリカにはあり、NIH(国立衛生研究所)の主導で、民間企業が「natural medicine database」を構築しています。
アメリカでは医療レベルでサプリメントが用いられていることから、サプリメントのレベルも非常に高くなっているのです。もちろん、「natural medicine database」に準拠したものという条件がつけられています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)