健康情報共有9 レタスは食物繊維が多い野菜ではない

食物繊維の量を比較する野菜としてレタスが使われるきっかけになったのは、食物繊維飲料のファイブミニからだと言われています。大塚製薬のファイブミニにはレタス1.8個分、6000mgの食物繊維が含まれているということがテレビCMで広まってからです。

食物繊維が多く含まれる食品といえば根菜類という印象で、ごぼうの食物繊維は100g当たり6.1gもあります。それに対してレタスの食物繊維は100g当たり1.1gで、キャベツの1.8gと比べても少ないほうです。わざわざ食物繊維が少ないレタスと比較したのは、食物繊維が多い印象を抱かせるためのことです。

その印象がよほど強かったようで、今でもレタスは比較対象に頻繁に使われています。最も食物繊維は多く含まれるのは、実は根菜類ではなくて、こんにゃく粉で79.9gで、それに次ぐのはきくらげ粉の79.5g、てんぐさ粉の79.0gで、これは乾燥した粉であるために水分量が少なくて、食物繊維が多くなっています。板こんにゃくは15.5gで、食べられる状態に加工したり、煮たものは水分が多い分だけ、食物繊維の割合が低くなります。

ひじきは食物繊維が多いものの代表とされていますが、それでも乾燥ひじで51.8gでしかありません。

こういった食品と比べると、ファイブミニの食物繊維が多くなっています(1本100ml当たり6g)が、食物繊維と言われてイメージされるのは不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は野菜に多く含まれるもので、水に溶けることはありません。水分と一緒に摂っても増えることはありません。ファイブミニに含まれているのは水溶性食物繊維です。そのために、ファイブミニの液体を見ても繊維は確認できません。

レタスに含まれる食物繊維のうち不溶性食物繊維は1.0gで、水溶性食物繊維は0.1gです。そのような割合なので、水溶性食物繊維のファイブミニを不溶性食物繊維が多いレタスと比較することには違和感があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕