整えるダイエット20 血糖値のコントロール

大食いの秘訣は、できるだけ水を飲まないようにすることだと言われています。水を飲むと、食べたものが水分を吸収して膨らみ、それだけ早く満腹状態になるからです。しかし、大食いのテレビ番組では一時期、食べられなくなったときに特別の飲み物を飲んでいる人がいました。その中身はブドウ糖が多く含まれたドリンクです。

商品名でいうとポカリスエット、ゲータレードなどのスポーツドリンクです。このスポーツドリンクのメインの成分はブドウ糖です。ブドウ糖は単糖という、それ以上は分解されない最小単位の糖類です。砂糖はブドウ糖1分子、果糖1分子という最もブドウ糖が多いものです。通常は糖類が胃での消化によって分解されてから吸収されますが、ブドウ糖は分解された形と同じなので、すぐに吸収されます。

そして、すぐに全身の細胞に取り込まれて、エネルギーを発生させるもの(エネルギー源)となります。ブドウ糖が細胞に吸収されるときには、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンが必要になるのですが、膵臓はブドウ糖に反応してインスリンを分泌させます。ブドウ糖が多いほどインスリンの量も多くなって、細胞に取り込まれるブドウ糖も多くなります。

ここまではプラスの話ですが、インスリンにはマイナスの面もあって、インスリンが多く分泌されるとブドウ糖の取り込みが盛んになることから、血液中のブドウ糖が急に減る低血糖になってしまいます。低血糖になるのは一時的であっても、身体が動きにくくなり、強い疲労感や脱力感、集中力の低下などが起こります。

その理由は、脳はブドウ糖だけがエネルギー源となっていて、脂肪酸もアミノ酸も吸収することができないからです。そのために脳の機能が大きく低下していくことになります。そこまでいかなくても低血糖になると、ブドウ糖を吸収するために食欲が急に増していきます。

太るために、どうしても食事量を増やしたいときには、このような方法がすすめられることもあるものの、あまり続けると膵臓に負担がかかり、急にインスリンの分泌が低下して、糖尿病になることもあるので、実施するときには注意が必要です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)