脂肪代謝促進研究22 エネルギー源をミトコンドリアに取り込むための成分

細胞の中でエネルギーを作り出すミトコンドリアは小さな器官ではあっても、数は非常に多くて、筋肉細胞では多い人の場合には1つの細胞に3000個ものミトコンドリアがあります。そして、全身のミトコンドリアの重量を合わせると全体重の10%ほどにもなっています。それだけ重要な成分であり、エネルギー代謝をスムーズに進めることで必要なエネルギーが作り出されています。

1日に必要とされるエネルギー源のうち生命維持のために使われる基礎代謝には約70%、身体を動かす活動代謝には約20%、食後に体熱が高まってエネルギー代謝を進めることに約10%が使われています。基礎代謝のエネルギーのうち約70%は体熱(熱エネルギー)になっているので、全体のエネルギーのうち半分ほど(70%×70%=49%)は体温の維持に使われていることになります。

体温の維持は非常に重要なことで、エネルギー源が不足しても体温の維持には優先的にエネルギーが回されます。そのためにミトコンドリアに取り込まれるエネルギー源が不足すると、全身の細胞を働かせる化学エネルギー、身体を動かす運動エネルギー、神経伝達の電気エネルギーなどが不足することになります。

エネルギー代謝は年齢を重ねるほど低下していきます。これはミトコンドリアにエネルギー源のブドウ糖と脂肪酸を取り込む能力が低下していくからですが、その役割をしているのがα‐リポ酸、L‐カルニチンです。代謝に必要な成分であるのでアミノ酸を材料に体内で合成されているものの、合成のピークは20歳代前半で、その後は合成量が減って蓄積量も減っていきます。

α‐リポ酸とL‐カルニチンは、以前は代謝促進のための医薬品成分でしたが、2002年にL‐カルニチン、2004年にα‐リポ酸が食品成分としても使用することが許可されました。これによって代謝促進のサプリメントとして使うことができるようになったのです。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕