Diet Designer26 急にやせるとシワができる

内臓脂肪が増えても、お腹が出てくるという感じで、皮下脂肪が大きく増えることはありません。太ったという体型は、皮下脂肪が増えて、その皮下脂肪が指先でつまめるという感じではなくて、つかめるというレベルまで増えてきたことをイメージさせます。

ダイエットに取り組んで、体脂肪が徐々に減ってきたときには、外見的に目立っている皮下脂肪から減ってくれればよいのですが、残念ながら皮下脂肪から減るようなことはありません。ダイエットをして先に減っていくのは、内臓脂肪からです。

内臓脂肪は、その名のとおり内臓の回り、中でも腸の回りについている脂肪で、体内で脂肪細胞の中に蓄積される中性脂肪が増えたときに、先に増えます。風船のたとえると、少しずつ空気を入れて、だんだんと膨らんでいくような状態です。

太っていくことで増えやすいのは内臓脂肪で、内臓脂肪が、ある程度の量になってくると、皮下脂肪が増えていきます。これは預金にたとえられます。内臓脂肪は普通預金のようなもので、すぐに増えやすく、食事を減らしたり、運動をすると減りやすい脂肪です。

それに対して、皮下脂肪は定期預金のようなもので、ある程度の普通預金が貯まって、余裕が出てきたときに蓄積されるものです。こうして徐々に蓄えられた皮下脂肪(定期預金)を減らすためには、急に皮下脂肪が減るようなことはありません。普通預金があるときに、いきなり定期預金を取り崩すことは普通ではありません。普通預金が減って、余裕がなくなったときに初めて定期預金が崩されるようになります。

内臓脂肪が減っても皮下脂肪は減りにくく、先に内臓脂肪が減ることは、風船にたとえると空気が徐々に減っていくのと同じように考えられます。風船の空気が減ってくると、それまではつまむことができなかった風船の表面が、急につまめるようになります。その状態を正しいダイエットで内臓脂肪が減ったと考えてくれるとよいのですが、皮下脂肪がつまめるようになったのはダイエットに失敗したと思ってしまう人がいます。

ダイエットを始めたときには、内臓脂肪が減ってシワができることがあります。これを失敗ダイエットと間違って、そのダイエット法をやめるようなことをする人がいます。それこそが間違いであって、やせてきたタイミングを見逃さないようにすることが大切です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)