エネルギー代謝によって作り出されたエネルギーは、基礎代謝、活動代謝、食事誘発性熱産生代謝の3種類のルートで使われます。使われるエネルギーの割合は、発生したエネルギー量や個人差によって違いはあるものの、ほぼ割合は決まっています。その割合は一般には基礎代謝が約70%、活動代謝が約20%、食事誘発性熱産生代謝が約10%とされています。
基礎代謝は、生命を維持するために使われるエネルギーのことで、体温、呼吸、消化、吸収、排泄、循環、神経伝達、筋肉の緊張などがあげられます。これは1日中、寝たきり状態であっても使われるエネルギー量です。最も多いのは体温の維持のためで、一般には基礎代謝の70%が使われます。ということは、発生したエネルギー量のうち約半分(70%×70%=49%)は体温の保持に使われているわけです。
活動代謝は、身体を動かすためのエネルギー量のことで、身体を動かすほど多く使われるようになります。全体の割合は約20%ということに着目すると、いつもの2倍の活動量があったとしても増えているのは20%ほどで、それを補うための飲食の量で増やしてよいのは20%ほどだということになります。
食事誘発性熱産生代謝は、他に食事誘発性熱産生、食事誘発性体熱産生と表現されることがあります。食事をするだけで消費されるエネルギー量で、消化に関わること(噛む、消化液を分泌する、消化したものを吸収するなど)で使われるエネルギー量です。これは1日に3食を通常の分量を食べたことによるエネルギー量で、ダイエットのために1食を抜いたり、食べる量を減らすと、その分だけ食事誘発性熱産生代謝で使われるエネルギー量は減ることになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)