発達支援推進27 発達障害児対応の栄養学

発達障害児の支援は、児童発達支援施設、放課後等デイサービス、特別支援学校・特別支援学級、学習塾などで対応が行われていますが、子どもの成長を支える基本中の基本となる栄養学となると、決定的なものがないのが現状です。

栄養学の教科書的な書籍を見ても、成長期の子どものための栄養については総論的に紹介しているものはあるものの、発達障害に関しては何もない状態です。

一方で、発達障害の特性の研究は大きく進み、神経伝達物質の合成不足、体調を整えるための改善法についても紹介されるようになってきました。ところが、その特性を改善するための栄養学的なアプローチ、その特性に合わせた栄養を加味した対応となると、特に示されてはいない現状があります。

発達障害児支援について、栄養面での対応のために講習を行うというと、栄養の専門家でも、発達障害児支援の専門家でも、それぞれの専門分野での対応のアドバイスは受けることはできても、発達障害児のための栄養学、それも成長過程にあって、発達障害の状態も変化している中での対応となると手探り状態です。

そこに挑戦するために、臨床栄養(患者の治療のための栄養)と、発達障害改善の対応のために活動している支援施設との交流をしています。また、発達障害児の保護者を通じて現状把握をさせてもらい、研究結果を手探りで進め、その結果を研究に戻して、また成果に対して手探りで進めるということの繰り返しで進めてきました。

その内容も、一般の方(保護者など)であっても理解して、実践することができるようにしなければならないということで、裏付けがしっかりとしていながらも、わかりやすく、他の方にも伝えやすいという講習テキストを作成しなければならないので、それなりの工夫と苦労がありました。

現状では発達栄養アドバイザーの講習テキストはA4サイズで200ページを超えています。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕