健康あない人37 ジェネリック医薬品は先発品と同じものなのか

医薬品には先発品とジェネリックがあります。ジェネリック医薬品は、新薬を開発・製造する大手製薬メーカーの医薬品の先発品特許が切れたあとに、同じ有効成分が同じだけ使われた後発品メーカーによって製造された医薬品を指しています。開発費が必要ない分だけ、安く作ることができます。

医療機関でジェネリック医薬品がすすめられるのは、個人の医療費を下げるととともに、医療費を負担する企業などの健康保険組合や自治体の負担を減らすためでもあります。医療費のうち国や自治体が負担しているのは4割ほど、企業や保険組合などが半分ほどです。そのうち医薬品が占める割合は医療費全体の4分の1ほどとなっているので、常に赤字になっている医療費を減らしたいというのは当然の気持ちです。

厚生労働省はジェネリック医薬品について「先発品と同等」という表現をしています。これは同じ有効成分がある原薬ということで、“同じ程度”であるということを意味しています。化学的に同じ成分であって、それが同じ分量だけ使われていれば同じ医薬品という発想ですが、本当に同じなのかという疑問は常につきまといます。

ジェネリック医薬品を製造・販売している製薬会社は、成分について先発薬と同じ有効性であるのかの試験を行っています。その結果として“同等”ではなくて“まったく同じ”という結果が得られていても、医薬品は有効成分だけで作られているわけではありません。

医薬品には添加剤が使われています。1錠の重量から有効成分の重量を差し引いた残りが添加剤です。1gは1000mgなので、医薬品の重さと有効成分の量を比べれば、どれだけ添加剤が多いのかがわかります。添加剤の種類によって吸収性や作用までにかかる時間なども違ってくるので、まったく同じということはないのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)