健康食品 敵か味方か18 特定保健用食品制度とは?

厚生労働省によって2001年に保健機能食品制度が創設され、特定保健用食品と栄養機能食品が保健機能食品とされました。2015年には機能性表示食品が保健機能食品に追加されました。

特定保健用食品(トクホ)は、身体の生理学的機能などに影響を与える保健効能成分(関与成分)を含んでいるもので、消費者庁長官の許可を得て、摂取によって特定の保健の目的が期待できる旨を表示(保健の用途の表示)することができる食品です。特定保健用食品として販売するには、食品の種類ごとに食品の有効性や安全性について消費者庁の個別の審査を受けて、許可を得る必要があります。

有効性の証明として、査読付きの研究雑誌に掲載されることが条件となっていて、定められた試験機関によって関与成分の含有量の分析試験も行われます。有効性が認められた関与成分が、一定量以上含まれることを審査によって確認された食品は特定保健用食品として、マークとともに特定の保健機能を表示することができます。

特定保健用食品の表示として8種類が許可されています。
1 おなかの調子を整える食品
2 コレステロールが高めの方の食品
3 血圧が高めの方の食品
4 ミネラルの吸収を助ける食品
5 骨の健康が気になる方の食品
6 むし歯の原因になりにくい食品/歯を丈夫で健康にする食品
7 血糖値が気になり始めた方の食品
8 血中中性脂肪、体脂肪が気になる方の食品

特定保健用食品は医薬品ではなく、食品であるため、疾病名の表示や病態の改善に関する表示をすることはできませんが、2005年に関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されている場合には、疾病名の表示が認められるようになりました。疾病リスク低減表示が認められている関与成分はカルシウムと葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)です。

〔カルシウム〕この食品はカルシウムを豊富に含みます。日頃の運動と適切な量のカルシウムを含む健康的な食事は、若い女性が健全な骨の健康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症になるリスクを低減するかもしれません。

〔葉酸〕この食品は葉酸を豊富に含みます。適切な量の葉酸を含む健康的な食事は、女性にとって、二分脊椎などの神経管閉鎖障害を持つ子どもが生まれるリスクを低減するかもしれません。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕