健康食品の法規制25 取り締まり側がOKを出すことはあるのか

健康食品の広告表現について、誰に確認するのが最もよいのかといえば取り締まりをする側の担当者に決まっています。表示のコンサルタントの中には、「これまでの活動によるパイプの太さから取り締まり側に確認できる」ということを謳い文句にしているところもあります。

しかし、「この表現はよくない」ということを言ってくれたとしても、「このように直せばよい」ということは言ってはくれません。というのは、その会社が過去にやったことや問い合わせ(苦情や相談)なども考慮して、広告表現の是非が判断されることがあるからです。

これで大丈夫と言ってくれたとしても、それは現状の判断であって、新たな規制の通知が出ると、以前のセーフの判断がアウトになることもあるからです。

コンサルタントの中に厚生労働省や消費者庁に確認してOKの表現を確認してきた、と述べているところもあります。本省(中央官庁)は法律に基づいて実施されるように指導する機関で、個別の文言に口出しするようなところではありません。それは出先機関も同じで、違反するところがあれば取り締まりをするだけで、このように書いてはいけないという例を出すことはあっても、個々の表現の指導はしません。

これは都道府県の薬務担当部署も同じことで、これなら大丈夫とお墨付きを出すことはありません。法律講習を実施している自治体もありますが、実際の取り締まりの基準となること(手口?)を教えるわけがありません。

過去の例を参考にして、どのような表現なら、効能効果の伝え方なら大丈夫かと推定していくしかないということになるわけですが、その推定も最新の規制の通知の内容を知らないことには対応できません。

そもそも通知は本省から実際に取り締まりをする出先機関に対して発行されるものであって、販売事業者に向けて書かれているわけではないので、その意味するところを学んで把握しておかないことには対応ができないということです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕