運動をすると、その分だけ筋肉がつくというのは若いときの話で、年齢を重ねていくと運動をしても筋肉がつきにくくなり、減ってほしい脂肪が蓄積されているというのは、多くの人が感じていることです。
筋肉が最も増えるのは成長期ですが、成長期といっても時期によって筋肉の増え方が違っています。筋肉量を増やすことに大きな影響を与えているのは成長ホルモンです。身長が伸びて、徐々に身体が大きくなっていく成長期前期の成長ホルモンの分泌量を100%とすると、だんだんと男らしい身体、女らしい身体に変化していく成長期後期では200%にも増えています。
これに対して30代では50%、50代では30%にも減っていきます。同じだけ運動をしても年齢を重ねるにつれて筋肉が増えにくくなっていくのは、成長ホルモンの分泌量の低下が大きく影響しているのです。
もう一つ影響しているのは代謝促進成分の減少で、これについては別に紹介していくことにしますが、全身の細胞の中で作られるエネルギーが筋肉を増やすことに関わっています。代謝促進物質は体内で合成されているものの、20歳代前半をピークに徐々に減っていくので、その影響も受けているのです。
筋肉が増えるためには、運動によって筋肉の一部が傷つけられることが必要で、それを修復するために筋肉細胞の周りにサテライト(衛星)細胞が作られて、タンパク質を集めていきます。そのタンパク質が筋肉細胞に取り込まれて筋肉が増えていきます。
筋肉が傷つけられるような運動が必要だということで、それは筋肉に負荷をかける運動ということになります。もう一つはサテライト細胞を増やすために必要な酵素(AMPキナーゼ)があって、これは息切れするような運動によってエネルギー不足になったときに多く発生します。
つまり、有酸素運動ということで、無酸素運動の筋肉トレーニングだけでなく、有酸素運動も筋肉を増やすためには必要になるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕