理想実現のための代謝促進21 消化能力を高めるエネルギー代謝

年齢を重ねていくと消化液が分泌されにくくなり、中でも脂肪の分解に時間がかかるようになります。そのために高齢者では肉が食べられなくなる、多くは食べられないということが起こるようになります。

高齢者は血管を丈夫に保つために、たんぱく質の摂取がすすめられ、動物性のたんぱく源として肉が推奨されるようになりました。しかし、脂肪が多く含まれるために肉が多くは食べられないということでは、健康の維持にも支障が出てきます。

これは日本人の話で、歴史的に肉食が多かった欧米人や北方アジア人は、年齢を重ねても消化液の分泌量が多く、肉を消化してエネルギーに変えていく能力も高くなっています。この差は、脂肪のエネルギー代謝に必要なL‐カルニチンの量に関係しています。

L‐カルニチンは脂肪酸を細胞のミトコンドリア(エネルギー産生器官)に取り込むために必要な代謝促進成分で、肝臓で合成されています。その材料となっているのは必須アミノ酸のリシンとメチオニンで、これは肉類に多く含まれています。

体内のL‐カルニチンのうち肝臓で合成されているのは3分の1ほどで、残りは食品に含まれているL‐カルニチンとなっています。これは欧米人で研究した結果で、日本人は体内のL‐カルニチンが少なく、割合も異なっています。

L‐カルニチンが多く含まれているのは肉類で、中でも多いのは羊肉(マトン)、牛肉です。これらの肉類を多く食べている欧米人と北方アジア人は体内のL‐カルニチンが多く、エネルギーを多く作り出すことができます。

消化液を多く作り出すためにはエネルギーが必要で、その消化液によってエネルギー源の脂肪が多く摂取できることになるので、欧米人などに比べたら、日本人は不利になります。

L‐カルニチンは今では食品の成分として健康食品から摂ることができるようになっているので、消化を進めて、健康を維持するためにも活用することができるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕