身体年齢6 全身で使われる酵素を増やすための食品

酵素を増やすためには、酵素の材料となるアミノ酸がバランスよく含まれる良質なたんぱく質を摂ることが大切だということを前回紹介しました。では、たんぱく質が豊富な食品を食べれば、それで全身の細胞で使われる酵素が増えるのかというと、そうではありません。

酵素はアミノ酸を材料に肝臓で合成されています。この酵素が、そのまま全身の細胞の酵素になるわけではなくて、消化に使われる酵素にもなります。消化は、食べ物に含まれる栄養素を体内に取り込むための出発点であり、重要な役割をする消化酵素として多くの量が分泌されています。

食品にも酵素は含まれています。動物でも植物でも細胞の中には酵素があり、これを食品を通じて摂っています。酵素は、たんぱく質なので、加熱によって減っていきます。生ものを食べると酵素を多く摂ることができるものの、その機会は減っているので、酵素の摂取量は減っています。

また、食べやすいようにする野菜などの品種改良によって酵素の量は減る傾向があります。

体内で合成される酵素は維持酵素と呼ばれています。維持酵素は消化酵素と、細胞の生化学反応のために使われる代謝酵素となります。

たんぱく質の摂取量に応じて維持酵素の量が増えるとしても、それほど多くの量を摂取するわけにはいきません。維持酵素の量は大きくは変わらないので、消化酵素が多く必要になると、その分だけ代謝酵素が減ることになります。

代謝酵素を増やして、全身の生化学反応を盛んにすることが細胞レベルから健康になる方法です。しっかりと噛んで食べることは唾液を増やし、唾液の消化酵素も増えるので、これは悪いことではないのですが、胃での消化酵素が必要以上に分泌されないようにするためには酵素が多い食品を食べること、場合によっては酵素が含まれる飲料を飲むことが大切になってくるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕