高血圧の話をする前に、「糖尿病の改善は簡単だ」と言われているということについて紹介します。このようなことを言っているのは循環器治療の専門医で、糖尿病は血液検査で簡単に診断され、その原因は血糖(血液中のブドウ糖)が多くなることで、治療も血糖値を下げればよいというシンプルな病気だからです。
それなのに糖尿病患者と血糖値が高すぎる糖尿病予備群を合わせると国民の20%にもなっているのは、血糖値を下げる方法が続かないからです。疾病によっては治療薬を使うだけでよいというものもありますが、糖尿病は食事療法をして、それで血糖値が下がらなければ運動療法もして、それでも血糖値が下がらなければ治療薬(血糖降下剤)を使うという特殊な病気だからです。
何に対して簡単だと言っているのかというと、それは高血圧症です。高血圧は血圧が高くなった状態で、治療が必要になるほど血圧が高くなった状態が高血圧症です。血圧が大きく上昇する原因は10項目以上もあげられています。
よく血圧が高い人に指導される塩分摂取の制限は、ナトリウムによって血圧が上昇するという1つの原因に対する改善法でしかありません。しかも、ナトリウム感受性がある人だけで、その遺伝子を持つ人は20%ほどでしかありません。
多くの原因のうち、どれが該当するのかわからないことがあり、いろいろと試してみるしかないという状況ですが、どの状態であっても共通していることがあります。それは血圧に関係する臓器や器官を構成する細胞の機能が低下していることです。
ナトリウム感受性が強い人であっても、他の血圧の上昇を抑える細胞が正常に働いていれば大きな上昇、急な上昇を抑えることができます。その正常に働きのためには、細胞の中で作り出されるエネルギーが重要になります。
エネルギー産生には、代謝促進成分(L‐カルニチン、コエンザイムQ10、α‐リポ酸)、すべての水溶性のビタミンB群が必要で、これらが不足すると血圧のコントロールも効きにくくなってしまうということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕