噛む噛むeverybody7 噛んで代謝酵素を増やす

酵素は細胞の中で生化学反応を起こす成分で、酵素が正常に働くことで細胞の働きを活性させ、消化・吸収・循環・代謝・排泄などの機能を正常に保つことができます。体内の酵素はタンパク質で、肝臓でアミノ酸から合成されていますが、その合成量は40歳を過ぎたころから減少していきます。

酵素は動物の細胞にも植物の細胞にも含まれているものの、それらの食品を食べれば、それが体内の酵素となって働くわけではありません。しかし、酵素が多く含まれた食品を食べることによって、体内の酵素を増やしていくことができます。

食品に含まれているたんぱく質が、胃と小腸でアミノ酸に分解され、小腸から吸収されたあとは肝臓に運ばれて、酵素をはじめとした体に必要なタンパク質に合成されます。体内では合成されず、食品から補わなければならない必須アミノ酸を含む良質なたんぱく質を多く摂り、肝臓で合成される酵素が増えることで、体内の酵素を増やしていくことができるのです。

肝臓で合成される酵素は、維持酵素(潜在酵素)と呼ばれています。維持酵素の合成量は、たんぱく質の摂取量によって変化はするものの、ほぼ一定しています。維持酵素は、細胞内の酵素である代謝酵素と、食べ物を消化する消化酵素に大きく分けられます。

一般には維持酵素のうち消化酵素は約70%、代謝酵素は約30%となっていると考えられています。食品に含まれる消化酵素が少ないと、その分だけ胃から分泌される消化酵素が多く必要になり、代謝酵素として使われる酵素の量が減ることになります。
現在の日本人の食事は消化酵素が多く含まれる生で食べる食品が不足していることから消化酵素は約80%、代謝酵素は約20%にもなっています。つまり、3分の2の量に減っているので、それだけ全身の細胞を働かせる酵素が不足していることになるのです。

このような仕組みが体内にはあるので、よく噛んで食べることは代謝酵素を増やして、細胞レベルから元気になっていくことができるということです。
(ここでは食品に含まれるものを“たんぱく質”、体内にあるものを“タンパク質”と使い分けています)
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕