ウォーキング用の2本のポールを使って歩いている人をリハビリや介護(予防)施設で見ることがあります。そのときには、施設で用意したものか、利用者が持ってきたものかを聞くようにしています。というのは、施設で用意するとしたら相応しくないポールを使っているシーンを目にすることが多いからです。
高齢者に適したポールは、いわゆるポールウォーキングに使われるものですが、中にはスポーツタイプのノルディックウォーキング用のものを使っている人もいます。家庭にあったもの、家族が使っているものを持ってきたのでしょうが、ノルディックウォーキング用はポールを後方に押し出すように歩くためのものなので、路面につくパッドが斜め45度になっています。
これをポールウォーキング用のポールと同じように垂直につくと、狭い先端が触れることになって安定しなくなります。高齢者の歩行をサポートするためのポールは、先端が丸状か円盤状になっています。
先端のパッドが丸くなっているのは、どの角度でついても路面に触れるようにするためですが、触れている面積は狭いので安定性が高いとはいえません。円盤状は垂直につくのによいものの、斜めについたときには円の端が路面に触れるので、これも安定性がよくありません。
こういったことを改善するために、円盤状のバッドに柔軟性があり、路面に密着するようになったものも登場しています。
もう一つ気になるのはグリップの握り方で、ポールウォーキング用は親指と人差し指で輪を作り、他の指を添えるようにするのが基本です。ところが、中には親指をグリップの上に乗せて、他の指で握るものもあります。そういった握り方を指導している普及団体があるためで、それに合わせたグリップにしているメーカーもあります。
こういった点にも着目して、ポールを選ぶこと、持ち込んできた人には指導をするように使用してほしいので、ポールウォーキングを実際にする人だけでなく、施設の関係者にも伝えるようにしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕